<ご参考資料>
※2020年8月13日に米国で発表された資料の抄訳です。

インテルは創業以来、生活を豊かにし、世界を変えるテクノロジーの可能性を深く信じています。PCの誕生により技術が知識とネットワークの大規模なデジタル化を可能とし、10億人もの人々がインターネットを使い始めました。その後、モバイルとクラウドの時代が到来し、私たちの生活様式は一変しました。現在では100億台ものデバイスが、クラウド上でスーパーコンピューターに接続しています。
インテルでは、この次の時代には、1000億台ものインテリジェントなコネクテッド・デバイスに囲まれたインテリジェント時代が到来すると考えています。エクサスケールのパフォーマンスとアーキテクチャーによって、あらゆる人がコネクテッド・デバイスを利用できるようになり、現在では想像もつかない方法で私たちの生活を豊かにするでしょう。これは、私だけでなくインテルの同僚のアーキテクトたちに、日々、インスピレーションとモチベーションを与えてくれる未来です。
私たちは、リアルタイムでデータを分析、理解、送信、保護、再構築を行う現在の能力よりも速い速度でデータを生成しており、この大量のデータを分析するためには、大量のコンピュートが必要です。さらに重要なのは、このデータをインサイトの向上に役立たせるためには、リアルタイムでコンピュートにアクセスすることが必要であるということであり、それは低レイテンシーであることで、利用される場所に近いことを意味しています。インテルでは、この指数関数的に困難な問題を解決している最中です。
デナード・スケーリング時代以降、トランジスタ技術からこの問題に取り組むためには、スタック全体にわたって新しいアプローチが必要とされており、その方針として、私たちは2018年12月のArchitecture Day 2018 にて「技術革新における6つの柱」を発表しました。ムーアの法則の本質を継承するために、6つすべての柱において変革をもたらす必要があると考えています。
今回のArchitecture Day 2020では、画期的な新しいブレイクスルーを交えながら、この6つの柱の進捗状況について紹介しました。最先端のプロセス技術を用いた設計、画期的なメモリー階層、高度なパッケージング技術によるシステムへの統合、光速の相互接続リンクを備えたハイパースケールな展開、単一のソフトウェア抽象化による統一、ベンチマーク定義によるセキュリティー機能など、インテルが保有するスカラー、ベクトル、マトリックス、空間アーキテクチャーの多様な組み合わせにより、大きな進歩を遂げました。
Architecture Day 2020の全てのプレゼンテーションはプレスキットにて視聴可能ですが、いくつかのハイライトをご紹介します。
インテルは、ディスアグリゲート設計手法および先進的なパッケージング技術のロードマップに関する詳細について説明しました。EMIBおよびFoveros技術におけるファインバンプピッチの技術検証を、グラフィックス・ダイ搭載製品およびFPGA搭載製品およびLakefield搭載システムにて行いました。
また、インテルのトランジスタロードマップにおける最大の進展の1つである10 nm SuperFinテクノロジーについても紹介しました。これは、新しいSuperMIMキャパシタを搭載することによってFinFETを再定義するもので、インテル史上最大の単一ノード内拡張を実現し、フルノード移行に匹敵するパフォーマンスの向上をもたらします。
次世代のWillow Cove CPUアーキテクチャーと10 nm SuperFinテクノロジーの統合により、新しいTiger Lakeプラットフォームが誕生します。Architecture Day 2020では、CPU性能の飛躍的向上、先進のグラフィックス、人工知能(AI)、メモリー帯域幅の拡大、セキュリティー機能の拡張、描画性能の向上、ビデオの改善など、次世代のTiger Lake SoCアーキテクチャーの詳細を明らかにしました。多くの方々がTiger Lakeの詳細情報を求めていることを理解しており、数週間内に追加情報を発表する予定です。
Tiger Lake以外にも、消費電力あたりの性能が飛躍的に向上した次世代のインテル® Agilex™ FPGAを紹介しました。EMIBを使用し224Gbpsトランシーバーを搭載した製品です。これにより2世代にわたりEMIBによるディスアグリゲーション設計手法を採用したことになります。
また、インテルのXe GPUアーキテクチャーが、テラフロップスからペタフロップスまで拡張可能なGPUを構築するための基盤であることを紹介しました。Xe-LP は、Tiger Lake の卓越したグラフィックス能力を支えるものであり、PCおよびモバイルコンピューティング・プラットフォーム向けとして最も効率性を追求したマイクロ・アーキテクチャーです。20年以上ぶりとなるディスクリートGPU(開発コード名:DG1)にもXe-LPが採用されており、現在生産中です。また、Xe-LPを搭載した初のインテル® サーバー GPUも発表しました。このGPUはメディア・トランスコードおよびストリーミング用にクラス最高のストリーム密度とビジュアル品質を提供するもので、今年後半から出荷予定です。
データセンターに関しては、初めてXe-HPチップが顧客向けにサンプル出荷されることを発表しました。Xe-HPは、業界初のマルチタイルで拡張性に優れた高性能GPUアーキテクチャーで、EMIB技術をベースに、ペタフロップ規模のAI性能とラックレベルのメディア性能を単一のパッケージで提供します。Xe-HPは、強化されたSuperFinテクノロジーを活用しています。
そして、今回インテルは愛好家やゲーマー向けに、Xeファミリーに4つ目となるマイクロ・アーキテクチャーを追加しました。Xe-HPGはゲーム用に最適化されており、レイトレーシングのサポートなど、多くの新しいグラフィックス機能を備えています。このマイクロ・アーキテクチャーは2021年に出荷される予定です。
ソフトウェアに関しては、以前より、XPUアーキテクチャー全体で利用可能な統一された標準的なプログラミング・モデルを開発者に提供するというビジョンについてお話してきました。そして、このビジョンを今年後半に提供開始予定のoneAPI Goldで実現する見込みです。また、インテル® DevCloudにおいて開発者にDG 1への早期アクセスを提供し、セットアップやダウンロード、ハードウェアのインストールを必要とせずにoneAPIで開発を開始できることを発表しました。
前回のArchitecture Day以降、インテルはメモリー分野で大きな前進を遂げてきました。最近では、第3世代インテル® Xeon ®スケーラブル・プロセッサーの発表(開発コード名:Cooper Lake)の一環として、第2世代インテル® Optane™ パーシステント・メモリー製品(開発コード名:Barlow Pass)を発表しました。また、インテルの4ビット/セルQLCも2020年末までに製品化に移行する予定です。
また、絶えず変化する脅威の中で、セキュリティーをどのように推進しているかについても詳しく考察しました。これには、一般的なマルウェア攻撃方法からの保護に役立つCPUレベルのセキュリティー構造を提供するインテル® Control-Flow Enforcement Technologyなどの新しい技術の導入も含まれます。また、基盤となるセキュリティー、ワークロード保護、ソフトウェアの信頼性に関する長期的なビジョンについても説明しました。
インターコネクトにも大きな進展がありました。インテルは2019年3月に、次世代データセンターの性能を高速化するために設計され、Sapphire Rapidsで提供予定のCompute Express Linkの広範なサポートに向けて、業界と協業していくことを発表しました。また、顧客エンゲージメントという観点では、シリコンフォトニクスの分野でも大きくリードしてきました。データセンターの変革が進む中、インテルはリーダーシップを発揮し、ネットワーク処理オフロード用の基盤およびSmartNIC製品を通じて、顧客のニーズに対応しています。
インテルのフェローとアーキテクトたちは、2021年、2022年、そしてそれ以降に向けて、熱心に技術開発に取り組んでいます。6つの柱すべてと細分化された設計を活用して、クライアントおよびデータセンター向け製品のビジョンを紹介しました。Intel Labs(インテル・ラボ)の責任者は、世界をリードするラボで研究しているニューロモーフィック・アーキテクチャーのプレビューを含め、新たな研究領域がコンピュートを100倍から1000倍向上させる可能性についても説明しました。
何十年もの間、インテルはテクノロジー業界の中心的存在であり続けました。私たちの製品は、顧客の製品とともに、人々の仕事、生活、遊びの方法を変えてきました。しかし、インテルの取組みが終わったわけではありません。インテルは、新しい時代、それはあらゆる人がエクサスケールのデータを扱うインテリジェント時代、の始まりの入り口に立っています。そして、新しい時代は、比類のないレベルのコンピューティング性能と技術革新の6つの柱の進展によって支えられるでしょう。
追加情報:Architecture Day 2020 プレスキット(英語)