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世界を変えたチップ

コンピューティングの基礎を築き、地球上のすべての人々の生活に影響を与えた インテル® 4004 マイクロプロセッサー

*2021年11月15日に米国で発表された資料の抄訳です。

インテル コーポ―レーション 歴史著述担当 エリザベス・ジョーンズ(Elizabeth Jones)

「常にあなたのポケットに電卓があるわけではないんだから、自分の頭を使って計算しなさい」

1975年頃までに生まれた人にとっては当時、ポケット・サイズのデジタル計算機はまさにSFの世界の話で、冒頭のフレーズをよく耳にしたことと思います。2021年の今、この言葉は学校でさえ、耳にすることはほとんどないでしょう。今の時代、大半の人がポケット・サイズの電卓を手にでき、さらに電話やカメラ、MP4 プレーヤー、リアルタイムの道案内システムまで、手にできるツールは例を挙げればきりがありません。

そしてほとんどの人が、このようなツールを当たり前のように使っています。しかし、世界初の商用マイクロプロセッサーであるインテル® 4004 マイクロプロセッサーと、これを契機とした半世紀にわたる技術の進歩無しには、そのいずれも手にすることはできなかったかもしれません。

マイクロプロセッサーは今、異常気象発生時には送電網を維持管理し、停電の回避や暖房の継続利用にも用いられています。またバックパックのような形をしたマイクロプロセッサーがAIを駆使し、視覚障害者が障害物を避け、横断歩道を安全に渡れるようにサポートしています。さらに顔の表情を認識し、それをリアルタイムで車椅子のコマンドへと変換し、個人の身体的な制約に関係なく自律的に行動できるようにもしています。

これらすべては、1台の電卓から始まりました。1969年、日本計算器販売株式会社が試作用エンジニアリング電卓「ビジコン 141-PF」の集積回路の設計をインテルに依頼しました。当初の案は12個のカスタムチップでしたが、インテルのマーシャン・テッド・ホフ(Marcian “Ted” Hoff)、スタン・メイザー(Stan Mazor)、フェデリコ・ファジン(Federico Faggin)は、後の1971年11月に正式に発表されことになるCPU(中央演算処理装置)「4004」を含む4チップ構成へと設計を変更しました。

爪先ほどの大きさの4004 マイクロプロセッサーが登場するまで、同等の処理能力を実現させる唯一の方法は、部屋全体を埋め尽くすほどのコンピューターの使用でしたが、これは実用的でないことに加え、スペースの有効活用にも程遠い方法でした。

インテル コーポレーション シニアフェローのジェネビーブ・ベル(Genevieve Bell)は「すべてはサイズを縮小するということに帰結します。モノが縮小すればするほど、モノを持ち運べる場所やモノが利用される可能性が広がります」と述べています。

4004は始まりに過ぎず、それは緩やかな始まりでした。インテルのエンジニアチームがCPUの応用例を示すと、開発者はそれをレガシーとし、一人ひとりがチップサイズの縮小や演算能力の飛躍的な向上に貢献しました。共同開発者のスタン・メイザー(Stan Mazor)は「4004はあまりにも画期的であったため、エンジニアに対するマイクロプロセッサーをベースにした新製品の開発法の教育に約5年を要しました。インテルは、この試行錯誤の結果、大きな成功を収め、その後はご存知の歴史のとおりです」と述べています。

「大きな成功」という表現だけでは、まったく足りないかもしれません。

2021年の今、マイクロプロセッサーは世界中の人々の日常生活のほぼすべての局面で利用されています。ノートブック PC、スマートフォン、ゲーム用コンピューター、コネクテッド・スマート・デバイス…。インテル® 4004 マイクロプロセッサーが契機となったマイクロプロセッサー技術により、コロナ禍の間も友人や家族、同僚とつながり、地理的な制約を無くし、余暇も満喫できるようになりました。

そしてさらに、これをはるかに超える現実も生まれています。コロナ禍を例にとってみましょう。

インドの科学産業研究評議会、国際情報技術大学ハイデラバード校とインテルの協働により、コロナウイルス検査をより迅速かつ安価に行えるようになりました。テクノロジーは、コロナウイルスのゲノム配列解析にも用いられ、疫学の理解の一助となっています。またインテルは、インドの全国ソフトウェア・サービス企業協会とも協力して、アプリケーション・エコシステムとマルチクラウド・バックエンドを構築し、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)に対して人口規模の診断を可能にしました。これは、科学者が感染拡大の予測や、医療の管理や効率化を進める上で役立っています。

メリットはこれに限りませんが、お察しのとおり、このすべての根本が、さまざまなニーズに柔軟に対応できるマイクロプロセッサー技術の特長です。

ファジンは「進歩の方向性を必ずしも明確に描いていたわけではなく、例えば驚異的な能力を備えたマイクロプロセッサーを補聴器に使用できるなど、1971年当時は全く分かっていませんでした」と述べています。しかし今は違います。

4004は電卓用として設計・製造された初の商用CPUとして現代のコンピューティング時代の先駆けとなりましたが、最新の第12世代 インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーと第3世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは、娯楽や仕事のみならず、AI、クラウド・コンピューティング、5G通信、エッジ機能を促進させるアーキテクチャーを提供します。これらのプロセッサーは処理を最適化し、デスクトップPC、ノートブックPC、クラウド、エッジ、あるいはポケット・サイズの機器でアプリケーションを実行できるシリコンとして登場しています。

今日、私たちのポケットには、電卓をはるかに超える能力があります。これはインテル® 4004 マイクロプロセッサーの誕生によるものです。

 

インテル コーポ―レーション 歴史著述担当 エリザベス・ジョーンズ(Elizabeth Jones)

インテルについて

インテルは業界のリーダーとして、世界中の進歩を促すとともに生活を豊かにする、世界を変えるテクノロジーを創出しています。ムーアの法則に着想を得て、顧客企業が抱える大きな課題を解決する半導体製品を設計・製造し、その進化に向けて日々取り組んでいます。クラウド、ネットワーク、エッジ、あらゆるコンピューティング機器のインテリジェント化によりデータの価値を最大化し、ビジネスと社会をより良く変革します。インテルのイノベーションについては、https://newsroom.intel.co.jp またはhttps://intel.co.jpをご覧ください。
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