<ご参考資料>2016年11月17日に、米国で投稿されたブログの抄訳です。
ブライアン・クルザニッチ(Brian Krzanich)
インテル コーポレーション 最高経営責任者(CEO)
人工知能(AI)はコンピューティングの次なる大きなトレンドというだけでなく、人類の歴史において大きな転機と言えます。機械工業、工場生産、そして蒸気動力が産業革命の原動力となり、日々の生活のあらゆる部分を何らかの形で変革したように、データ、ニューラルネットワーク、コンピューティング・パワーにより、インテリジェンス革命が推進されています。
AIを通じて人の感覚と能力を拡張することで、新たな発見をもたらし、私たち自身に加え、私たちを取り巻く世界との関わり方をさらに豊かにするだけでなく、意思決定のプロセスをさらに改善します。AIは世界をより良いものへと変えていくものですが、AIのテクノロジーを現実のものとし、そしてさらにその進化を加速させていくための唯一無二のノウハウをインテルは有しています。
運転、消防、採掘など幅広い分野におけるさまざまな仕事から人々を解放することで、私たちはより安全で、さらに生産性の高い世界を経験することになるでしょう。医療、科学的発見、教育、さらには仕事の進め方においても、前例のないほどの進化を遂げようとしています。
世界がよりスマートになり、これまで以上にインターネットに接続されることに伴い、AI実現の前提となる環境がさらに整います。AIは、機械が物事の状況を把握し、論理的判断を下し、また経験に基づいて適応する能力を基盤としています。AIの基盤において、インテルは分析、機械学習、深層学習などを通じて、機械のインテリジェンスを実現します。
インテルはAIがもつ可能性を最大化し、さらに加速するための唯一無二のテクノジーを有しています。インテルはAIに真剣に取り組み、企業や社会でのAIの活用を促進するために、テクノロジーと開発者に対して大規模な投資を行っています。
インテルはAIに真剣に取り組み、企業や社会でのAIの活用を促進するため、テクノロジー、トレーニング、人材、そして研究開発に対して、大規模な投資を行ってきました。インテルは、パートナー各社、業界全体、およびグローバル社会に対して、AIの開発を加速させ、エンド・ツー・エンドのソリューションを提供し、そして次世代のコンピューティング変革のリーダーとなることを約束しています。企業の買収やイノベーションを通じて獲得した、前例のない包括的なテクノロジー群を持つインテルこそがこの約束を実現できるのです。
インテルはデータセンターにおいて、汎用から特定用途向けまでの半導体、コンピュータビジョン、メモリーとストレージ、幅広いプログラミング・アセット、そして通信テクノロジーにわたる広範なソリューションを提供しています。インテルは、これらの資産を基盤としながらも、AIのさらなる成長と幅広い普及のため、AIの加速を支える最先端の企業であるSaffron社、Movidius社、およびNervana社を買収しました。
- 認識プラットフォームであるSaffron社は、連想学習や機械学習の手法を使い、メモリベースの推論に加え、複数のソースのデータ、疎データ、動的なデータに対する透明性の高い分析を行います。このテクノロジーは小型デバイスに特に適しており、IoT全体にわたって、インテリジェントな分析をローカルで行えるだけでなく、最先端のコラボレーションベースのAIの進化をさらに促進します。
- コンピュータビジョンの最先端企業であるMovidius社の買収により、インテルのエッジ テクノロジーに関するプレゼンスが、さらに高まります。組込み型のコンピュータビジョンの重要性が高まる中、インテルはデバイスの「目」として機能するインテル® RealSense™ 、「脳」であるインテルのCPU、そして「視覚野」であるMovidius Myriad 2ビジョンプロセッサーから構成される完全なソリューションを提供します。このビジョンプロセシングユニット(VPU)は、パフォーマンスだけでなく、それと同じくらい重要な低消費電力性と優れた温度性能も備えています。
- インテルはまた、AIの開発サイクルで重要なトレーニング時間を、数日単位から数時間単位へ、また将来的には数時間単位から数分単位へと短縮するために、AI分野のリーダーであるNervana Systems社も買収しました。Nervanaのイノベーションはニューラルネットワークに特に最適化されており、深層学習のパフォーマンスを最大限に高めるとともに、シームレスなモデル並列処理のための高帯域での相互接続によって、前例にないほどのコンピューティング密度を実現します。インテルは、Nervanaのテクノロジーにより、複雑なニューラルネットワークのトレーニング所要時間を、今後3年間で100分の1に短縮し、AI分野におけるデータサイエンティスト最大の課題を、より迅速に解決できるようになると見込んでいます。
これらの買収と投資は、AIをより汎用性が高く、利用しやすいものとすることを目的としています。インテルは、ますますインテリジェンス、堅牢性、コラボレーションの能力を高めているマシン向けに、コンセプト設計から実際のテクノロジーの展開までにかかるサイクルを短縮することを目指しています。インテルはAI革命を推進するうえで不可欠なテクノロジーを提供していますが、AIが持つ潜在性を最大限に発揮するには、業界が一丸となって、また社会全体として取り組む必要があります。このためインテルは、オープンなデータ交換やオープン化されたさまざまな取り組み、使いやすいツール、人材拡大のためのトレーニング、そしてインテリジェントなテクノロジーへのアクセス拡大に向けた取り組みを先導しています。
AIの時代は始まったばかりで、たくさんのイノベーションが実現するには、まだ時間がかかります。機械学習の一部であり、まだ小規模ながら急速な成長を遂げている深層学習では、インテル® Xeon®プロセッサーがGPUとともにに使用されています。研究者によってはGPGPU(General-purpose computing on graphics processing units:GPUによる汎用的計算)を使用していますが、これはGPGPUがグラフィックスのための並列処理ユニットを持ち、深層学習への応用にたまたま適しているためです。しかしGPGPUのアーキテクチャーがAIに特別適したものではありません。AIの進化に伴い、高度な拡張性を備えたアーキテクチャーが、深層学習と機械学習の両分野で必要とされるようになります。インテルのアーキテクチャーは、より大規模なモデルにも対応し、エッジからデータセンターまで一貫したアーキテクチャーを実現します。このような包括的なエコシステムを持つ幅広い製品ポートフォリオを有していることが、インテルの戦略的な強みです。インテル® Xeon Phi™ プロセッサーをはじめとするインテルのコプロセッサーが世界的に認められていることは、多くの人々に認識されています。最近発表されたTop 500 Supercomputerリストでは、新たにリストにランクインしたシステムのアクセラレータが生み出すFLOPS全体の80%で、インテル® Xeon Phi™プロセッサーが活用されています。アクセラレータにはインテル® Xeon Phi™プロセッサーとGPUが含まれています。
AIが世界に与えるプラス効果を最大限に発揮するため、インテルは、企業の社会的責任と従業員によるボランティア精神で業界リーダーとしての地位を確立してきた長年の歴史をさらに発展させ、有益なAIテクノロジーの利用をさらに促進するとともに、政府機関、企業、社会のリーダーたちと連携することで、来たるべきインテリジェンス革命に向けて準備しています。
インテルには、AIのパワーを活用してより良い世界を作るためのビジョン、テクノロジー、そして意欲があります。今こそ、未来に向けたインスピレーションとイノベーションにさらに投資する時期です。

