Intel’s news source for media, analysts and everyone curious about the company.

パンデミック後の世界のニーズに焦点を当てた研究にまい進

※2020年6月23日に米国で発表された資料の抄訳です。

インテル コーポレーション シニア・フェロー 兼 インテル ラボ マネージング・ディレクター

リッチ・ウーリグ

私たちは今、COVID-19のパンデミック(世界的大流行)により、仕事の進め方に加え、人とのつながりや絆作りで人類の歴史上、最大の転換点を迎えています。このような節目での取り組みが、今後の経済やコミュニティー、そして技術革新や投資へのアプローチに対して、長期的かつ広範囲に影響を及ぼすと言っても過言ではありません。

インテル ラボには700名以上の研究者が在籍し、分野の垣根を越えた専門知識を培っているため、今般の節目を、その研ぎ澄まされたイノベーションの意義が最も重要となる領域により注力する絶好の機会ととらえています。

インテルは先頃、2030年に向けたグローバル・インパクトの目標を発表し、テクノロジーとデジタル・レディネス(デジタル対応力)に対する取り組みを通して、人々の発展の機会を急速に拡大させる必要性を強調しました。技術研究の力を利用し、社会レベルでのトランスフォーメーションを世界規模で実現できるインテルの可能性は、これまで以上に大きくなっています。

詳細情報: Intel Labs (プレスキット)

時節柄、テクノロジーは接着剤として大きな役割を果たしていますが、その利用体験は完全とは言い難く、そこにはテクノロジーの欠如や新たな課題が存在しています。世界経済フォーラムによると、世界中で10億人以上の学生が学業に支障をきたしているとされています。また、米国自由人権協会(ACLU)に代表される団体が接触者の追跡など、パンデミックに関連した保健上の取り組みでのデータの濫用や過度な利用、プライバシーの侵害に懸念を表明しています。

インテル ラボは、ニューロモーフィック・コンピューティング、確率コンピューティング、未来予測コンピューティング、量子コンピューティングから、メモリー、エッジ・コンピューティング、5Gまで、多様な領域にまたがる広範囲でのデータの移動、演算、セキュリティーのボトルネックや障壁の解消に長年、注力してきました。また、今回のパンデミックで取り組みを進める中で明らかになった特定のテクノロジーの欠如に対しても注目しており、インテルの研究を新たに応用できる機会も見込んでいます。このような機会は次の通りです。

 

バーチャル・ワーク体験の向上:インテルは、現実感の高いコミュニケーションの実現支援や、長時間のバーチャル空間での活動の結果感じる“バーチャル疲れ”対策になる没入感のある革新的なテレプレゼンス技術を研究しています。これらの技術は、複数台のカメラ映像を既存のライブストリーミング・ソリューションに統合し、ビデオチャットや配信オンライン・コンテンツを通じて現実感の高いコミュニケーションを行えるようにします。

私たちは民族学的な調査を通じて、人間は相手の凝視やジェスチャー、態度・姿勢、発声、行動、およびその他の手掛かりを利用して、効果的なやり取りを実現させるために共通して注目できる点や参照できる点があることを知っています。私たちは、カメラアレイ技術や計算音響学、マルチモーダル信号の意味理解、を通じて没入型のやり取りを可能にし、あらゆるバーチャル環境でスムーズなやり取りを実現する手法を探索しています。

 

リモート学習の再考:パンデミックにより、各地で授業がバーチャルを活用して行われるようになり、教員は学生の評価や学生との関わりに関連して、それぞれさまざまな課題に直面しています。インテルは、COVID-19後に特に大きな問題点になりうる非同期型学習に際して、教員が高学年の生徒・学生向けに学習体験をパーソナライズできるよう、学生との関りを評価できる新しい技術を学習プラットフォームに組み込む検討を進めています。また、低学年(小2以下)の場合、スクリーン越しの学習ややり取りに児童が関心を示さないことが分かりました。インテルのアンビエント・コンピューティングの研究は、能動的かつ没入型の利用体験の創出に注力しています。この利用体験では、物理的な環境を認識し、生徒・学生の行動や発言、活動、ジェスチャーを理解し、それに応じて反応する投影されたアニメーション・エージェントと連動するオブジェクトとの物理的なやり取りが可能になります。インテルは現在、操作可能な物理的なやり取りを行えるようにする数理学習に注力しています。

 

プライバシー保護技術:患者の健康データの研究にAI(人工知能)の利用が一層進んでおり、研究、科学および医学コミュニティーにとって、患者のプライバシーを侵害することなく、リポジトリ間でデータ共有を容易に実現できることは、洞察を迅速に導き出す上でも極めて重要です。インテルは先頃、ペンシルバニア大学ほか29の研究機関と、脳疾患の早期発見を目的とした連合学習に関する研究を共有しました。また、位置情報と近接度検出法を用いてプライバシーを保護した接触者追跡の新たなアプリケーションとして、Intel® Software Guard Extensions(Intel® SGX)テクノロジーの利用の可能性についても検討しています。

 

病原体サーベイランス:SARS-CoV-2のような病原体が表面化した今、全ゲノムシーケンシングのような技術が、既知の病原菌との比較用サンプル作製、病原体の性質の特定やその突然変異の追跡に用いられています。これらの変異の調査を世界規模で行うことにより、科学者は病原体拡散の追跡や、そのリスクプロファイルをより理解できます。しかし、各サンプルのマッチングには数百万の比較作業が必要となり、病原体データベースは指数関数的なペースで増加し、安定的に早期発見し、監視を行うことが困難になっています。インテルはIntel® Optane™ テクノロジーを利用して、このような大規模データベースから情報をより効率的に取得できる、生物学的手法をとり入れた新しいアルゴリズムをハードウェアとともに設計し、デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)の類似性検索を加速させる新しいアプローチについて研究しています。この結果は、COVID-19や将来のパンデミック対応に役立つ数百万のゲノムに対して、より迅速かつ正確な比較を行う際に役立ちます。

研究者として、私たちは、社会が大規模に変化している今、技術イノベーションによってもたらされる変革の可能性を、よりはっきりと認識しています。ブレークスルーを模索し、将来直面するデータに関する大きな課題を解決し、広範な社会的インパクトをもたらすことこそが、インテルの非常に重要なミッションなのです。

 

» インフォグラフィックを最大化する

インテルについて

インテルは業界のリーダーとして、世界中の進歩を促すとともに生活を豊かにする、世界を変えるテクノロジーを創出しています。ムーアの法則に着想を得て、顧客企業が抱える大きな課題を解決する半導体製品を設計・製造し、その進化に向けて日々取り組んでいます。クラウド、ネットワーク、エッジ、あらゆるコンピューティング機器のインテリジェント化によりデータの価値を最大化し、ビジネスと社会をより良く変革します。インテルのイノベーションについては、https://newsroom.intel.co.jp またはhttps://intel.co.jpをご覧ください。
* Intel、インテル、Intel ロゴ、インテルのマークは、米国およびその他の国におけるインテル コーポレーションの商標です。
* その他の社名、製品名などは、一般に各社の商標または登録商標です。