インテル・ラボ、未来に向けて加速:マルチコアが主流となる究極のコンピューティングを実現へ
2011 年 9 月 16 日
<ご参考資料>
* 2011 年 9 月 15 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。
ニュース・ハイライト
- インテル・ラボが開発する新しい「ニア・スレッシュホールド・ボルテージ・コア」(限界閾値電圧コア)は、約 5 倍のエネルギー効率を実現し、郵便切手ほどの大きさの太陽電池で動作する、インテル® Pentium® プロセッサー同等の研究用マイクロプロセッサーを開発、コンピューティング・システムの可能性に挑戦
- オープンソース・コミュニティー向けに「Parallel JS」エンジンを公開。JavaScript™ にデータ並列機能を追加し、コンピューター・ビジョン、暗号化技術、3D ゲームなど、ブラウザー・ベースのサービス処理速度を最大 8 倍向上
- 現在の DDR3 メモリーに比べて 7 倍のエネルギー効率を実現する「ハイブリッド・メモリー・キューブ」を公表。単独 DRAM デバイスとして、史上最速のデータ転送速度を実現
- インテル CTO のジャスティン・ラトナーは、マルチコアおよびメニーコア・コンピューティングの影響力が拡大すると指摘。ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)の枠を超え、クライアントおよびサーバーの様々なコンピューティングの課題を解決
インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)が米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の開発者向け会議「インテル・デベロッパー・フォーラム(IDF) Fall 2011」の基調講演において、インテル コーポレーション 最高技術責任者(CTO)のジャスティン・ラトナーは、マルチコアおよびメニーコアが、主流の大規模コンピューティングに及ぼす影響などを例に挙げて、未来に向けてコンピューティングの開発がさらに加速していると語りました。
ラトナーは「2006 年以来、インテルと IA 開発者コミュニティーは、マルチコアおよびメニーコア・コンピューティングの可能性を具体化し、HPC の枠を超えて、クライアントおよびサーバーにおける広範なコンピューティングの課題を解決するべく協力してきました。本日紹介したデモンストレーションは、メニーコアやエクストリーム・スケール・コンピューティング・システムで将来実現される技術のほんの一部にすぎません」と述べています。
将来のコンピューティングに向けて
インテルは、今日のテクノロジーの限界を超えて、現在より大幅に低い消費電力を実現しつつコンピューティング性能を次の段階へと押し上げる、更なる大きな一歩を模索し続けています。一例として、ラトナーは、トランジスターの閾値電圧、あるいはターンオン電圧の近くで動作し、エネルギー消費を大幅に低減させる新しい超低電圧回路を実現した「ニア・スレッシュホールド・ボルテージ・コア」(限界閾値電圧コア)を紹介しました。この研究用プロセッサーは、必要な時には高速動作し、負荷が軽い時には 10 ミリワット以下まで消費電力を落とすことができるため、郵便切手ほどの大きさの太陽電池だけで駆動できます。この研究用プロセッサーは製品化を目指したものでありませんが、この研究成果は将来の製品に幅広く適用可能な限界閾値電圧回路として組込まれる見込みです。回路の消費電力は 5 分の 1 以下にまで抑えることができるため、常時動作の環境を幅広いコンピューティング・デバイスに拡張することが可能になります。こうした技術は、インテル・ラボが目標とする、大規模データ処理からテラスケールの携帯機器まで、幅広いアプリケーションで、演算の消費エネルギーを 100 分の 1 から 1000 分の 1 にまで低減するプロジェクトの一環として開発されているものです。
マイクロンがインテルと共同開発した DRAM の試作品であるハイブリッド・メモリー・キューブは、新たなメモリー設計により、エネルギー効率が現在の DDR3 の 7 倍に向上しています。ハイブリッド・メモリー・キューブは、小型立方体の積層メモリー・チップ構成で、ビット転送消費電力を抑えつつ、1 兆ビット/秒というデータ転送速度を実現する効率の良い新たなメモリー・インターフェースが採用されています。この研究は、クラウド・コンピューティングに最適化されたサーバーや、Ultrabook™、テレビ、タブレット機器、スマートフォンの大幅な進展につながる可能性があります。
マルチコアの多用途化
複数のプロセッシング・エンジンを 1 つのプロセッサーに組込んだマルチコアは、消費電力を抑えつつ性能を向上させる手法として定着してきました。メニーコアはプロセッサーの設計思想であり、従来の手法で段階的にコアを追加するのではなく、多くのコア搭載を前提とする革新的なプロセッサー設計技術です。
ラトナーは、5 年前の IDF で、インテル初のデュアルコア・プロセッサーを発表して以来、マルチコア・コンピューティングが発展していると語りました。今日、インテルのマルチコアおよびメニーコア・プロセッサーは、業界の幅広い分野で多くの重要な用途に使用されており、急速に進展するコンピューティングの世界で驚くような利用方法もあります。
ラトナーは、このテクノロジーのいくつかの最新用途の紹介に加え、マルチコアおよびメニーコア・コンピューティングの能力を引き出す開発者用ソフトウェア・ツールおよびプログラミング技法について説明しました。その一部を紹介します。
高速 Web アプリケーション:データ並列プログラミング機能によって JavaScript™ を拡張し、インテル・ラボが公開した研究用 Parallel JS オープンソース・エンジンを使用することで、デスクトップ PC や Ultrabook™ を含むノートブック PC での、写真やビデオの編集、物理シミュレーション、3D ゲーム向けなど、新しいカテゴリーのブラウザー・ベース・アプリケーションを実現します。
応答性に優れたクラウド・サービス:第 2 世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーのマルチコア機能を利用した Memcached アプリケーションでは、1 秒あたりのデータ照会数をクラス最高水準まで高めます。世界最大級のインターネット・サイトで、Web アプリの応答性を改善し、ユーザーの待ち時間を最小化します。
PC クライアントのセキュリティー向上:並列暗号化と顔認証サービスにより、Ultrabook™ をはじめノートブック PC やデスクトップ PC のセキュリティー機能を向上します。
低コスト無線インフラストラクチャー:現在、携帯電話の基地局で使用されているカスタム設計で高コストのベース・ステーションに代わり、完全にプログラム可能でコスト効率に優れた PC ベースのソフトウェア・ソリューションを中国移動通信(China Mobile)と共同で研究しています。
壮大なサイエンス問題:欧州原子核研究機構(CERN)は、宇宙の謎を解くために、インテルのマルチコア・プロセッサー・クラスターを使用しています。高エネルギー物理学アプリケーションのパフォーマンスを大幅に向上するため、今後登場するインテルのメニー・インテグレーテッド・コア(MIC)アーキテクチャー製品にプログラムを迅速に移植します。
インテルについて
インテルは、革新的なコンピューティング技術で世界をリードする企業です。インテルは、仕事や生活で利用される様々なコンピューティング機器の基礎となる重要な技術を開発しています。インテルに関する情報は、http://www.intel.co.jp で入手できます。
以上
* Intel、インテル、Intel Core、Pentium、Ultrabook、Intel ロゴは、米国およびその他の国における Intel Corporation の商標です。
* その他の社名、製品名などは、一般に各社の商標または登録商標です。
* ジャスティン・ラトナーは、インテル コーポレーション 副社長 兼 インテル・ラボ代表 兼 最高技術責任者(CTO)兼 インテル・シニア・フェローを兼務
