インテル コーポレーション、光伝送技術で銅線回路を代替する将来のコンピューター向け研究成果を発表

インテル コーポレーション、
光伝送技術で銅線回路を代替する将来のコンピューター向け研究成果を発表
~ 世界初、集積レーザーを活用したエンド・ツー・エンド接続のシリコン・フォト二クスを開発、
コンピューティング設計の変革、パフォーマンスの飛躍的向上、電力削減が実現可能 ~

2010 年 7 月 28 日

<ご参考資料>
* 2010 年 7 月 27 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。

ニュース・ハイライト

  • インテル・ラボは、世界初のハイブリッド・シリコン・レーザー技術を活用したシリコン・ベースの光データ伝送技術を開発
  • 実験用チップは 500 億ビット/秒(50G ビット/秒)のデータ伝送が可能。研究者はさらに高速化の実証実験を推進
  • 低コストで高速な光ファイバーに基づく同技術は、コンピューター・メーカーにネットブックからスーパー・コンピューターに至る、従来のシステム設計を刷新
  • サーバー施設およびデータセンターを有する企業は、多数のケーブルを 1 本の光ファイバーケーブルに置き換えることにより、性能のボトルネックを取り除き、設置スペースおよび電力の大幅な運用コストの低減が可能

インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)は、電子に代わり光線を用いたコンピューター内部あるいは相互接続のデータ伝送の取り組みにおける画期的な成果を発表しました。インテルは世界初となる集積レーザーを活用したシリコン・ベースの光データ伝送の研究用システムを開発しました。同技術は既存の銅線技術に比べ、より長距離間で最大 50G ビット/秒の高速データ伝送を可能にします。これにより、高品質(HD)の映画コンテンツをわずか 1 秒で送受信することができます。

現在、コンピューター・コンポーネントは銅配線を利用して接続されています。この配線技術では、銅などの金属を用いたデータ伝送の際に生じる信号劣化により、最大配線長が制限されます。これによりコンピューターの設計は制限され、プロセッサー、メモリーおよびその他のコンポーネントはお互い数十 cm の間隔に配置する必要がありました。今回の研究成果では、大容量データを長距離間で伝送可能な薄型・軽量の光ファイバーを用いた接続に置き換えるための大きな一歩であり、将来のコンピューター設計を根本から刷新し、データセンターの構築を変革します。

シリコン・フォトニクスはコンピューティング業界のあらゆるアプリケーションに利用することできます。例えば、これだけのデータ伝送能力があると、壁全体をスクリーンにする高解像度 3D ディスプレーを利用して、ホーム・エンターテインメントではあたかも俳優と、ビデオ会議システムではあたかも家族と同じ部屋に一緒にいるような体験をすることができるようになります。将来のデータセンターまたはスーパー・コンピューターでは、伝送容量や延長距離に限界がある大量の銅線ケーブルに制限されることなく、コンポーネントが建物または敷地内に広く分散し、お互いが高速で通信することができます。これにより検索エンジン企業、クラウド・コンピューティング事業者または金融機関などのデータセンターは、パフォーマンスと機能を向上しながらも、設置スペースや消費電力を大幅に削減することができ、また世界の大規模な問題を解決するために強力なスーパー・コンピューターを構築して科学者を支援することができるようになります。

インテル コーポレーション 最高技術責任者(CTO)兼 インテル・ラボ代表のジャスティン・ラトナーが米国カリフォルニア州モントレーで開催されたインテグレーテッド・フォトニクスの国際会議において、シリコン・フォトニクス・リンクのデモンストレーションを行いました。これは、50G ビット/秒の光データ伝送を可能にするコンセプト・モデルです。インテルの研究者はこれを利用して、新しいアイデアを試したり、高価で取り扱いの難しいガリウムヒ素のような素材を使わずに、低コストで容易に製造できるシリコンを使った光データ伝送技術の開発を進めることができます。テレコム通信など複数のアプリケーションがすでにレーザーを用いたデータ伝送を実用化していますが、現在の技術は PC に利用するには非常に高価で、小型化には向いていません。

ラトナーは「今回発表のハイブリッド・シリコン・レーザーを集積した、世界で初めての 50G ビット/秒のシリコン・フォト二クス・リンクは、我々のフォト二クスのシリコン化を目指す長期的なビジョンと、将来の PC、サーバーやデジタル家電機器の内部あるいは相互接続における低コストで高帯域幅の光通信の実現に向けた重要な成果です」と述べています。

50G ビット/秒のシリコン・フォト二クス・リンクのプロトタイプは、世界初の成果を過去多数達成したインテルの長期にわたるシリコン・フォト二クス研究における成果です。同技術は、インテルがこれまでに開発してきた光送信/受信チップなど、あらゆるコンポーネントを集積化しています。これには、2006 年に米カリフォルニア大学サンタバーバラ校と共同開発したハイブリッド・シリコン・レーザーや、2007 年に発表した高速な光変調器および光検出器も含まれています。

送信チップは 4 つのレーザーを集積し、データを 12.5G ビット/秒で符号化する光変調器をそれぞれのレーザー光が通過します。そして 4 つのレーザー光は統合し、単一の光ファイバーに 50G ビット/秒で出力されます。リンクの反対側では、受信チップが 4 つのレーザー光を分解し、光検出器へと導き、光データを電気信号に再変換します。両チップは半導体業界で広く用いられる低コストな製造技術により実現します。インテルの研究者は変調器の速度を拡張し、チップ毎におけるレーザー光の数を増やすことで、データ転送速度を向上する作業を開始しています。これは、一般的なノートブック PC の全コンテンツを 1 秒以内で伝送することができる 1 テラビット/秒の光接続の実現に向けたものです。

今回の発表はインテルの「Light Peak」(開発コード名)技術とは異なる研究成果です。この 2 つの技術はインテルの I/O 戦略の一環です。Light Peak は、近い将来のアプリケーション向けにインテルのクライアント・プラットフォームにマルチプロトコルで 10G ビット/秒の光接続実現を目指すための研究です。シリコン・フォト二クスは、シリコン集積を活用し大幅なコスト削減やテラ・スケール・データ転送速度の実現、大量生産アプリケーションでの光通信実現を目指す研究開発です。今回の成果は、光伝送技術の実現に近づく重要な一歩です。

インテルについて

インテルは、革新的なコンピューティング技術で世界をリードする企業です。インテルは、仕事や生活で利用される様々なコンピューティング機器の基礎となる重要な技術を開発しています。インテルに関する情報は、http://www.intel.co.jp で入手できます。

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