自動運転車の安全な走行を確保するため、IEEEスタンダード(標準規格)策定へ

 

Jack Weast, senior principal engineer at Intel and vice president of Automated Vehicle Standards at Mobileye, speaks at the 2019 Mobileye Investor Summit. (Credit: Walden Kirsch/Intel Corporation)

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最新情報:自動運転車(AV)が安全な走行を確保するのためのスタンダード(標準規格)策定の提案が Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE: 米国電気電子技術者協会)による承認を受け、インテルの上級主席エンジニアJack Weast(ジャック・ウィースト)がこのワークグループを率いる責任者として指名されました。このワークグループは、AV産業の企業に対して幅広く門戸を開いており、Weastは多くの業界関係者からの参加表明を期待しています。このワークグループは2020年第1四半期に、第1回目のミーティングを開催する予定です。

Jack Weastは「まもなく開発されるこのIEEEスタンダードは、AVの安全運転とは何を意味するのか、という問いに回答するための有用なツールを提供することでしょう」と述べました。

 

背景:AVの安全性を評価する手法の合意に向けて、業界と規制機関が議論を続ける一方で、AVに運転資格を付与するには、規制しきい値を確立するための標準規格が不可欠であるという点は、多くの人が同意しています。業界の見解一致が十分ではない状況であっても、現在さまざまなアプローチが開発段階にあります。

この間にもテクノロジー開発は停滞することなく、AVの実用化が間近になるにつれ、規制機関は世界規模でAVを運用するための迅速なルール策定をより強く求められています。深い技術知識と迅速な標準規格開発で知られるIEEEは、1年以内にこの基準の第1版を出版することを予定しています。規制や規格を求める声が高まるにつれて、必要な判断だといえるでしょう。

IEEEコンピュータ・ソサエティで標準化活動の副議長を務めるRiccardo Mariani氏は「この標準化プロジェクトでは、AVの安全運転を促すオープンなフォーマルモデルを開発するための重要な基盤を提供します。安全な自動運転を実現する拡張性の高いフレームワークを構築するには、冗長性と多様性が欠かせません」と述べました。

 

実現する仕組み:新規格 IEEE 2846では、AVが安全な走行を確保するためのフォーマル・ルールベースの数理モデルを確立します。これらは、検証が可能で、組織/団体を問わず利用できるという点においてテクノロジーに中立であり、さらに各政府機関が国や地域に合わせてカスタマイズすることが可能となります。AVが標準規格に準拠しているかどうかの検証方法とテストツールも組み込まれる予定です。

 

組織構成:IEEEの2つの委員会である、コンピュータ・ソサエティとビークル・テクノロジー・ソサエティが、この提案の共同スポンサーとなっています。Weastがワークグループの議長を務め、この必要不可欠となるAVスタンダードに関心を示す全員の参加を受け入れる予定です。

 

インテルの役割:インテルは、Responsibility-Sensitive SafetyRSS:責任感知型安全論)のフレームワークを、AVの安全運転について業界の認識を一致させるためのスタートポイントとして提供します。オープンでテクノロジーに中立なRSSでは、論理的に証明可能な一連のルールと、危険な状況時の適切な反応に基づいてAVの安全運転を定義し、安全運転に対する人間の認識を、透明性が高く検証可能な数式の集合として形式化しています。

 

標準規格が必要な理由:このIEEE標準規格が必要とされる理由は、AVのコンピューティングに備わる判断能力が、外部からはほとんど可視化できないためです。判断能力は、AIアルゴリズムの集合体である「ブラックボックス」のようなものによりその大部分が構成されていますが、これはAV業界の主要企業による重要な知的財産(IP)の中核をなしています。このAVのドライビングポリシーを決めるブラックボックスの特性により、異なるAV間での安全性を相対的に評価することはほぼ不可能です。現在、主に用いられている累積走行距離、人間のドライバーの介入が必要となる割合、シミュレーションの実施時間といった統計的証拠のみに頼ると、それらの証拠が全てのシナリオを網羅するまでに、現実的ではない実走量やシミュレーション実施量が必要となるという点を業界の一部の専門家が指摘しています。

インテルについて

インテル(NASDAQ: INTC)は、半導体業界をリードする企業として、世界中の技術革新の基盤となるコンピューティングや通信の技術により、データを中心とした未来を創造します。技術的な優位性を基盤に、世界中のさまざまな課題の解決だけでなく、クラウドからネットワーク、エッジ、そしてそれらをつなぐあらゆるモノに至るまで、スマートかつつながっている世界を支える数十億ものデバイスやインフラを安全に接続するための支援に取り組んでいます。インテルの詳細については ニュースルーム またはインテルの Webサイト をご覧ください。

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