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インテル コーポレーション、国防高等研究計画局向けプログラムでマイクロソフトと協業

* 2021年3月8日に米国で発表された資料の抄訳です。

最新情報:インテル コーポレーションは本日、国防高等研究計画局 (DARPA)と仮想環境におけるデータ保護(DPRIVE)プログラムの遂行に関する契約を締結したことを発表しました。本プログラムは、完全準同型暗号(FHE)のアクセラレーターを開発することを目的としています。マイクロソフトは、クラウド・エコシステムおよび準同型暗号における主要なパートナーであり、米国政府との協業のもと、Microsoft AzureやMicrosoft JEDIクラウドといったクラウド製品を活用した検証実験を進め、開発された技術の商用採用を主導しています。複数年にわたる本プログラムは、インテルラボ、デザインエンジニアリング・グループ、データプラットフォーム・グループを含む複数のインテルグループによる横断的な取組みであり、復号キーにアクセスすることなく完全に暗号化されたデータ上で計算するというデータプライバシーの「最後のフロンティア」の開拓を推進します。

インテルラボ 主任エンジニアで、DARPA DPRIVEプログラムの主任研究員であるロザリオ・カンマロタ(Rosario Cammarota)は、「完全準同型暗号は、使用中のデータの安全性を確保するうえでの究極的な目標です。信頼性の高い実行環境やコンフィデンシャル・コンピューティング技術が大きく進歩し、保存データや転送データは保護されるようになった一方、計算中のデータは暗号化されていないため、この段階における潜在的な攻撃の可能性があります。そのため、データを完全に共有したり、データから最大限の価値を引き出す機能が阻害されたりすることが度々起こっています。インテルは、DARPAの技術パートナーに選ばれたことを誇りに思うと同時に、マイクロソフトおよびDARPAと協力してコンフィデンシャル・コンピューティングの次なる進歩へ貢献し、未来の完全準同型暗号を開拓してまいります」と述べています。

重要な理由:個人データや企業の知的財産など、重要な情報の機密性を保護することは、企業において戦略的に重要です。現在、多くの企業では、転送中、使用中、保存中のデータを保護するために、さまざまなデータ暗号化手法を使用しています。しかしながら、現状の技術では、データを処理する際にデータを復号化する必要があり、この複合化されたデータが悪用されるリスクが高まります。

完全準同型暗号により、ユーザーは暗号化されたデータ、つまり暗号プログラム上で計算を行うことができます。また、データを復号化する必要がないため、サイバー脅威の可能性を低減することにもつながります。完全準同型暗号が大規模に実装された場合、組織は機械学習などの技術を活用し、データのライフサイクル全体でデータの機密性を保持したまま、大規模なデータセットから有用性を最大限に抽出できるようになります。ヘルスケアや保険、金融業界などの顧客は、漏洩のリスクなくセンシティブデータから最大限の価値を引き出して利用することができようになるなど、この新しい利用方法の恩恵が期待できます。

 

完全準同型暗号採用の民主化:業界における完全準同型暗号の採用が遅れている要因に、完全準同型暗号方式を用いたデータ処理がデータ集約型であり、単純な操作であっても莫大な「パフォーマンスへのインパクト」が発生することが挙げられます。

DARPA DPRIVEプログラムにおいて、インテルは現在の完全準同型暗号に関連するパフォーマンスのオーバーヘッドを削減するために、特定用途向け集積回路(ASIC)アクセラレーターを設計することを計画しています。このアクセラレーターが完全に実現すれば、既存のCPU駆動型システムよりも完全準同型暗号ワークロードの実行が大幅に改善されるため、暗号の処理時間が5桁ほど短縮される可能性があります。

マイクロソフトは、クラウド・インフラストラクチャー、ソフトウェア・スタック、完全準同型暗号に関する専門性を有しており、データのライフサイクル全体におけるプライバシー保護を強化しながら、自由なデータ共有やコラボレーションを実現するうえで、この技術が確立した際に商用化を加速させるための重要なパートナーです。

マイクロソフト ミッションシステム担当副社長 兼 Azure Global最高技術責任者のウィリアム・チャペル博士は、「クラウド・コンピューティングや準同型暗号の専門知識をDARPA DPRIVEプログラムに提供できることを嬉しく思います。インテルとともに、この革新的な技術を商用利用にまで発展させ、保存中、転送中、使用中のいずれに状態においても、データを完全に安全でプライベートな状態に保ち、顧客がデータの機密性におけるラストマイルのギャップを埋めることができるよう支援してまいります」と述べています。

 

今後の展開について:DARPA DPRIVEプログラムは、システム・オン・チップとフル・ソフトウェア・スタックに統合される基盤となるIPブロックの設計や開発、検証に始まり、いくつかのフェーズに分かれ、数年かけて進行する予定です。プロジェクト全体を通して、インテルは、準同型暗号化されたデータを用いた人工知能のトレーニングと推論のワークロードの性能目標に対する進捗状況を評価していきます[1]。インテルとマイクロソフトは、アクセラレーターの設計に必要なコア技術の開発に加え、国際標準化団体と協力しながら完全準同型暗号の国際標準を作成していきます。また、インテルは、この分野の継続的な学術研究にも引き続き投資していきます。

 

参考資料:Intel プレスキット(英語)

[1] インテルのテクノロジーを利用する際、有効化されたハードウェア、ソフトウェア、またはサービスのアクティベーションが求められる可能性があります。また、製品またはコンポーネントが完全に安全でない場合もあります。

インテルについて

インテルは業界のリーダーとして、世界中の進歩を促すとともに生活を豊かにする、世界を変えるテクノロジーを創出しています。ムーアの法則に着想を得て、顧客企業が抱える大きな課題を解決する半導体製品を設計・製造し、その進化に向けて日々取り組んでいます。クラウド、ネットワーク、エッジ、あらゆるコンピューティング機器のインテリジェント化によりデータの価値を最大化し、ビジネスと社会をより良く変革します。インテルのイノベーションについては、https://newsroom.intel.co.jp またはhttps://intel.co.jpをご覧ください。
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