Intel’s news source for media, analysts and everyone curious about the company.

インテル コーポレーション、極低温量子制御チップ 第2世代Horse Ridgeを発表

» 画像をダウンロードする 

最新情報:インテル コーポレーションは、Intel Labs Dayにおいて、第2世代の極低温量子制御チップ「Horse Ridge II」を発表し、量子コンピューティングにとって最大のハードルの1つであるスケーラビリティの克服に向け、また一歩前進しました。2019年に発表された第1世代Horse Ridgeのコントローラーの革新を基に、Horse Ridge IIは強化された機能と、より高度な統合により量子システムを円滑に制御できるように対応します。新機能には、量子ビットの状態を操作して読み取る機能や、複数の量子ビットを重ね合わせる際に必要な複数のゲートの電位を制御する機能が含まれています。

インテルラボ  コンポーネント研究グループ 量子ハードウェア部門ディレクターのジム・クラーク(Jim Clarke)は『集積回路設計者やインテルラボ、技術開発の各チームの持つ深い学際的専門知識を集約することにより、インテルはHorse Ridge IIを活用し、量子極低温制御の領域におけるイノベーションを牽引し続けます。その結果生じる配線の複雑さに対処せずに、量子ビット数を増やすことは、スポーツカーを所有しながらも、常に渋滞にはまっているものだと考えています。Horse Ridge IIは、量子回路の制御をさらに合理化しながら、忠実度の向上および低消費電力化を実現し、「トラフィック・フリー」な集積量子回路の開発に一歩近づくことができると期待しています』と述べています。

重要な理由:現在の初期量子システムでは、希釈冷凍機内の量子ビットチップに配線された、多数の同軸ケーブルを用いた室温エレクトロニクスが使用されていますが、このアプローチでは、フォームファクター、コスト、消費電力、冷凍機への熱負荷のため、量子ビットを多数に拡張できません。初代Horse Ridgeにおいて、インテルは量子マシンを動作させるために、機器のラック複数分および冷凍機の出入りに必要な数千本のワイヤーを根本的に簡素化することで、この課題に対処しました。場所を取る機器を高度な統合システムオンチップ(SoC)に置き換えたのです。このSoCは、システム設計を簡素化するほか、高度な信号処理技術を使用してセットアップ時間を短縮し、量子ビット性能を向上させ、エンジニアリングチームが量子システムを、より大きな量子ビット数に効率的にスケールアップすることを可能にしました。

 

新機能:Horse Ridge IIは、量子ビットドライブと呼ばれる量子ビットの状態を操作するため、無線周波数パルスを生成する第1世代SoCの性能をベースとしています。Horse Ridge IIは、2つの追加制御機能を導入します。これらは、極低温冷凍機内で動作するSoCと外部電子制御のさらなる統合を実現するための第一歩です。

 

新機能により実現することは次の通りです。

  • 量子ビットの読み出し:この機能は、現状の量子ビットの状態を読み取ることを可能にします。大量のデータを保存することなくオンチップで低レイテンシーの量子ビット状態を検出できるため、メモリーと消費電力を低く抑えることができるという点において、読み出し機能は重要となります。
  • マルチゲート・パルシング:多くの量子ビットゲートの電位を同時に制御する機能は、効果的な量子ビット読み出しと複数の量子ビットの重ね合わせ、および動作実現の基本であり、よりスケーラブルなシステム開発へ前進します。

集積回路内で動作するプログラマブル・マイクロコントローラーを追加することで、Horse Ridge IIは3つの制御機能の実行方法において、より高い柔軟性および高性能な制御を実現します。マイクロコントローラーは、デジタル信号処理技術を使用してパルスに追加のフィルタリングを実行し、量子ビット間のクロストーク低減に貢献します。

Horse Ridge IIは、Intel® 22nm low-power FinFETテクノロジー(22FFL)を使用して実装されており、その機能は4ケルビンで検証されています。現在の量子コンピュータは、絶対零度をわずか数分の一度数だけ超えるミリケルビンの範囲で動作しています。しかし、インテルの量子化研究の基盤となっているシリコン・スピン量子ビットは、1ケルビン以上の温度で動作することができる特性を持っており、量子システムを冷却する際の課題を大幅に軽減することが期待できます。

インテルの極低温制御研究では、制御装置およびシリコン・スピン量子ビットの両方において同じ動作温度レベルを達成することに焦点を当てています。Horse Ridge IIで実証されたように、この分野における継続的な進展は、量子インターコネクトのスケーリングに対する現在の総当たりアプローチを上回るものであり、インテルの長期的な量子実用化ビジョンの重要な要素となっています。

 

今後について: インテルは2021年2月に開催される国際固体回路会議(ISSCC)にて、本研究に関する技術的詳細をさらに発表する予定です。

 

参考資料Intel Labs Daysプレスキット(英語) | Quantum Computing at Intelプレスキット(英語) | Intel Labsプレスキット(英語)

インテルについて

インテルは業界のリーダーとして、世界中の進歩を促すとともに生活を豊かにする、世界を変えるテクノロジーを創出しています。ムーアの法則に着想を得て、顧客企業が抱える大きな課題を解決する半導体製品を設計・製造し、その進化に向けて日々取り組んでいます。クラウド、ネットワーク、エッジ、あらゆるコンピューティング機器のインテリジェント化によりデータの価値を最大化し、ビジネスと社会をより良く変革します。インテルのイノベーションについては、https://newsroom.intel.co.jp またはhttps://intel.co.jpをご覧ください。
* Intel、インテル、Intel ロゴ、インテルのマークは、米国およびその他の国におけるインテル コーポレーションの商標です。
* その他の社名、製品名などは、一般に各社の商標または登録商標です。