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唯一無二であるインテル コーポレーションの量子研究用冷却機

* 2021年3月15日に米国で発表された資料の抄訳です。

オレゴン州ヒルズボロのインテル コーポレーション ジョーンズファーム・キャンパスに設置されている、量子冷却機の横に立つリサーチエンジニア オットー・ツィーツ(Otto Zietz)。この装置は、300ミリのシリコンウエハーを、量子コンピューティングの研究に十分な極低温であるほぼ絶対零度まで冷却可能。大型ウエハーを処理する能力を備えたインテルの冷却機は、この種の装置としては世界で唯一のものです。(提供: Walden Kirsch/Intel Corporation) » 画像を最大化する

スクールバスほどの大きさで、数百万ドルもするようなハイテク機器の世界において、オレゴン州のインテル コーポレーション ロンラーエーカーズ・キャンパスの研究室に設置されている装置は、実にユニークなものといえます。

量子冷却機と呼ばれるこの装置には、地球上のどの装置も真似することができない特長があります。この冷却機は、300ミリの大型シリコンウエハーを1.7ケルビンという、絶対零度にほぼ近い極低温にまで下げることができます。

インテルで進行中の量子コンピューティング研究において、この冷却機は欠かすことができません。量子コンピューティングは、今現在最も強力なスーパーコンピューターですら解決できない、非常に複雑な問題に取り組むことができる技術であると期待されています。

今週開催される米国物理学会において、インテルラボおよびインテルのコンポーネント・リサーチ・グループの研究者は、量子コンピューティングに関する10本の技術論文を発表します。そのうち2本は、冷却機の研究から得られた技術的成果を初めて公開するものです。

詳細情報: Intel Drives Development of Quantum Cryoprober | Quantum Computing at Intel (プレスキット) | How Quantum Computing will Answered Unsolved Problems (動画)

インテルは、フィンランドのBlueforsおよびAforeの協力のもと、冷却機の設計・製造しました。冷却器は昨年オレゴンに到着し、調整期間を経て、この半年間安定して稼働しています。

この冷却機により、インテルのエンジニアはスピン量子ビットや量子ドットなどの新しい微細なコンピューティングデバイスを完成させる速度を劇的に加速することができました。今日の量子コンピューターは極めて低い温度環境でしか機能しないため、この極低温環境が必要不可欠なのです。

インテルの研究科学者であるラビ・ピラリシティ(Ravi Pillarisetty)は、冷却機のおかげで研究と試験が「週に数量子ドットから…1日あたり数百量子ドットにまで」加速させることができたと話します。このスピードは、冷却機のサイズによって実現しました。冷却機の心臓部である真空缶は、研究用に市販されている一般的な極低温システムの約10倍の広さがあります。これは、量子デバイスを詰め込むこともできる最新のディナープレートサイズ(25-30cm)のシリコンウエハーを収容するだけでなく、超冷却されたウエハーの移動や調査をする機械の部品をも収容可能な、十分な広さがあることを意味します。

冷却機は、研究者による量子ビットの大規模な配列の作成も支援します。ピラリシティは、インテルは数百万の個々の量子ビットを1つのチップに詰め込む量子コンピューティングデバイスを作成することを最終的なビジョンとして掲げていると話しています。

インテルラボの量子アプリケーション・アーキテクチャー・ディレクターであるアン・マツウラ(Anne Matsuura)は、昨年12月のインテル・ラボ・デイでの講演にて、インテルは商用規模の量子コンピューティングの実現に近づいていると発言しました。量子コンピューターは、新薬の開発や新素材や化学物質の発見などを支援することで、ヘルスケア分野やエレクトロニクス分野まで、世界を変える可能性があるとしています。

マツウラは、「インテルは、アプリケーション、コンパイラ、量子ビット制御プロセッサー、制御電子機器、量子ビットチップデバイスなど、量子コンピューティング・スタックにおける全てのコンポーネントを開発しています」と話しています。

また、インテルは、量子コンピューティングをスケーラブルにする研究を進めており、オレゴン州に設置された1台のユニークな装置によって新たな一歩を踏み出しました。

インテルについて

インテルは業界のリーダーとして、世界中の進歩を促すとともに生活を豊かにする、世界を変えるテクノロジーを創出しています。ムーアの法則に着想を得て、顧客企業が抱える大きな課題を解決する半導体製品を設計・製造し、その進化に向けて日々取り組んでいます。クラウド、ネットワーク、エッジ、あらゆるコンピューティング機器のインテリジェント化によりデータの価値を最大化し、ビジネスと社会をより良く変革します。インテルのイノベーションについては、https://newsroom.intel.co.jp またはhttps://intel.co.jpをご覧ください。
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