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インテル、ニューロモーフィック・エコシステムの拡大および研究の進展に関する最新情報を発表

 

最新情報:インテルは、Intel Neuromorphic Research Community(INRC)の拡大および研究の進展に関する最新情報を発表しました。同グループは、2018年の発足以来、急速に組織規模を拡大しており、現在100を超えるメンバーが参加しています。今回、新たにレノボ、ロジテック、メルセデス・ベンツ、プロフェシーをメンバーとして迎え、ビジネスユースケースにおけるニューロモーフィック・コンピューティングの価値を追求していくことを発表しました。また、INRC によるニューロモーフィック・リサーチ・テストチップ「Loihi」を活用した研究結果を報告しました。

インテルラボ ニューロモーフィック・コンピューティング担当ディレクターのマイク・デイビス(Mike Davies)は 、「ニューロモーフィック・コンピューティングの可能性に触発され、コンピューティングの効率性、スピードおよびインテリジェントな機能を桁違いに向上させるべく、2年という短い期間で世界中の何百人もの研究者からなる活気あるコミュニティを形成しました。そして、今回初めてこの目標実現に向けて定量的な兆しが見えてきました。INRCパートナーの皆様とともに、これらの洞察を基にこの初期技術の広範かつディスラプティブな商用アプリケーションの構築を計画しています」と述べています。

重要な理由:インテルは、単独ではニューロモーフィック・コンピューティングの可能性を十分に解き放つことはできないと考え、INRCを設立しました。学界や産業界、政府など各界でこの分野をリードする研究者たちとの協働を通じて、ニューロモーフィック・コンピューティング開発の課題を克服し、今後数年間の中で研究用プロトタイプから業界をリードする製品へと発展させていくことを目指しています。

インテルとパートナー各社は、実世界のエッジ・ユースケースにおいて桁違いの向上を実証しており、より膨大な計算問題を解決するためにこれらのワークロードをスケーリングする過程で、早くも実績が確認できました。ニューロモーフィック・コンピューティングの発展に伴い、インテルとINRCは、より効率的で適応性の高いロボット工学の実現、大規模なデータベー上の類似コンテンツの高速検索、意思決定が困難な計画および最適化をエッジデバイスによりリアルタイムで行えるようにすることなど、ニューロモーフィック・テクノロジーの実世界における様々なユースケースの可能性を明らかにしてきました。既に参加しているフォーチュン500の各社や政府系機関のメンバーと共に、レノボ、ロジテック、メルセデス・ベンツ、プロフェシーがINRCに加わったことで、ニューロモーフィック技術が着実に進歩し、学術研究室から産業界への応用に向かっていることを示しています。

 

結果:インテルのニューロモーフィック・システムで構築されたアプリケーションの継続的な開発やプロトタイピング、テストを通じ、インテルとINRCのメンバーは、幅広いワークロードにおけるベンチマークが理にかなって向上していることを示す結果を確認し続けています。人間の嗅覚システム模倣イベントベースのタッチ・センシングをロボット工学に導入するといった既存の成果と、Intel Labs Dayで発表された新たなベンチマークを組み合わせることで、ニューロモーフィック・コンピューティングは、商用化をも連想させる、生体触発のインテリジェント・ワークロードが実現できる青写真を描けてると言えます。

 

Intel Labs Dayにて発表されたベンチマークに関する主な最新情報には、以下のものが含まれます。

  • 音声コマンド認識:アクセンチュアが、インテルのLoihiチップで音声コマンドを認識する能力を標準的なグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)と比較してテストしたところ、Loihiは同等の精度を達成しただけでなく、最大1,000倍のエネルギー効率化および最大200ミリ秒の応答の高速化を実現したことがわかりました。メルセデス・ベンツは、INRCを通じて、自動車に新たな音声対話コマンドを追加するなど、これらの結果が実世界のユースケースにどのように応用できるかを検討しています。
  • ジェスチャー認識:従来のAIは、ビッグデータの解析や何千もの事例にまたがるパターンを認識することに長けていますが、コミュニケーションを取る際に使うジェスチャーなど、人それぞれの微妙な違いを学習することは苦手としています。アクセンチュアおよびINRCのパートナー各社は、Loihiの自己学習機能の活用を通じて個別化されたジェスチャーを素早く学習・認識する技術の発展を具体的に実証しています。ニューロモーフィック・カメラからの入力を処理することで、Loihiはわずか数回確認するだけで新しいジェスチャーを学習することができます。これは家庭内でのスマート製品との対話や公共スペースでのタッチレスディスプレイなど、様々な用途に応用できる可能性があります。
  • 画像検索:小売業界の研究者が画像ベースの商品検索アプリケーションとしてLoihiの性能を評価したところ、従来の中央処理装置(CPU)やGPUソリューションと比較して、同程度の精度を維持しながらも、3倍以上のエネルギー効率で画像特徴ベクトルを生成できることがわかりました。これは、今年前半に発表したインテルのニューロモーフィック・リサーチ・システム「Pohoiki Springs」の類似性検索結果を補完するものであり、Loihiが100万画像データベース内の特徴ベクトルを、CPUと比較して24倍速く、かつ30倍低いエネルギーで検索できることを示しています。
  • 最適化と検索:インテルとパートナー各社は、従来のCPUと比較して、Loihiが1000倍以上高効率に、かつ100倍以上速く最適化や検索の問題を解決できることを発見しました。制約充足などの最適化問題は、ドローンがリアルタイムで複雑なナビゲーションの計画や意思決定を行えるようになるなど、エッジでの潜在的価値を引き出します。また、複雑なデータセンターのワークロードにも同じタイプの問題を適用でき、列車の運行計画やロジスティクスの最適化などのタスクを支援することができます。
  • ロボティクス:ラトガーズ大学とデルフト工科大学の研究者は、Loihiで動作するロボットナビゲーションおよびマイクロドローン制御アプリケーションの新たなデモンストレーションを発表しました。デルフト工科大学のドローンは、250キロヘルツ以上の周波数で動作する進化した35ニューロン・スパイクネットワークを用いてオプティカルフロー着地を実演しました。また、ラトガーズ大学は、性能を損なうことなく、Loihiのソリューションが従来のモバイルGPUの実装よりも75倍低電力消費であることを発見しました。11月に開催された2020 Conference on Robot Learningで発表された研究では、ラトガーズ大学の研究者は、Loihiがディープ・アクター・ネットワークと同等の高精度で、膨大なOpenAI Gymタスクを学習することに成功し、モバイルGPUソリューションと比較して140倍も低い消費電力で学習できることを判明しました。

 

さらに、インテルとパートナー各社は、Intel Labs Dayにおいて最先端のニューロモーフィック・ロボティクスのデモンストレーションを2つ披露しました。インテルは、チューリッヒ工科大学の研究者と共同で、Loihiが地平線追跡ドローンプラットフォームをアダプティブに制御し、200マイクロ秒の視覚処理レイテンシで最大20キロヘルツのクローズドループ速度を達成したことを発表しました。これは、従来のソリューションと比較して、効率と速度を合わせてニューロモーフィック・ロボティクスの性能が1,000倍に向上したことを表しています。ニューロモーフィック・ソフトウェア統合問題に取り組むインテルとイタリア工科大学(IIT)の研究者は、IITのロボットプラットフォーム「iCub」内のLoihi上で、複数の認知機能が一緒に動作することを実証しました。これには、高速で数ショットの学習による物体認識、学習した物体からの空間認識、人との対話によるリアルタイムの意思決定などが含まれています。

 

今後について:INRCの拡大に伴い、インテルはこのユニークなエコシステムへの投資を継続し、メンバーと協力して技術サポートを提供することで、ニューロモーフィック・コンピューティングが大小問わず様々な問題に実世界の価値をもたらす可能性を探っていきます。さらに、インテルはINRCからの学習成果を継続的に取り入れ、近日提供開始予定であるインテルの次世代ニューロモーフィック・リサーチ・チップの開発に反映させています。

 

Intel Neuromorphic Research Community(INRC)について: Intel Neuromorphic Research Communityは、世界中のアカデミック・グループ、政府機関、研究機関、企業からなるエコシステムで、ニューロモーフィック・コンピューティングを推進し、革新的な人工知能アプリケーションを開発しています。INRC への参加やLoihiの開発に興味のある研究職の方は、Intel Neuromorphic Research Communityのウェブサイトをご覧ください。現在のメンバーリストも掲載されています。

 

参考情報Labs Day プレスキット(英語)| Neuromorphic Computing プレスキット(英語)| Intel Labs プレスキット(英語)| How Neuromorphic Computing Uses the Human Brain as a Model(英語)

インテルについて

インテルは業界のリーダーとして、世界中の進歩を促すとともに生活を豊かにする、世界を変えるテクノロジーを創出しています。ムーアの法則に着想を得て、顧客企業が抱える大きな課題を解決する半導体製品を設計・製造し、その進化に向けて日々取り組んでいます。クラウド、ネットワーク、エッジ、あらゆるコンピューティング機器のインテリジェント化によりデータの価値を最大化し、ビジネスと社会をより良く変革します。インテルのイノベーションについては、https://newsroom.intel.co.jp またはhttps://intel.co.jpをご覧ください。
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